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あまり見かけなくなった、車のアンテナ。
車種にもよりますが、昔はフェンダーの辺りか、ルーフの前方に装着しており、この頃のアンテナは【ロッドアンテナ】といい、その名前の通り、金属の棒を手動で伸ばしていくアンテナです。
特徴としては、車に乗る前にアンテナを手動で伸ばさなくてはいけません。
うっかり伸ばしていることを忘れて、高さ制限のある駐車場などに入ってしまうと、アンテナを引っかけたり折れてしまうなどのトラブルもちらほら。
そこで、1970年頃に登場したのが、【オートアンテナ】です。
進化を遂げたカーアンテナは、自動で伸縮できるようになり、乗る前に手動で伸ばさなくてもよくなりました。
また、高さ制限のある駐車場でも気にせず、入っていけるようになりましたが、高速で走れる道路の走行を続けていると、微妙にアンテナが変形するため伸縮がしなくなるトラブルも。
その後も進化を続け、現在最も主流になっているのが、クルマのルーフについている三角形のヒレ状の出っ張り。その形状から、『シャークフィン』と呼ばれています。
『シャークフィン』の元をたどれば、F1で採用されて空力アイテムが由来しているとか。
このアンテナの中には、渦巻き型のコイルと電子基板が組み込まれており、さまざまな電波環境の中を移動する車でも、安定して電波を受信することが出来ます。
また、シャークフィンアンテナのメリットとして、F1のシャークフィン同様、車両の安定性向上にも役に立っています。わずか数十センチの小さなパーツですが、走行中に車体後方が左右に揺れてしまうのを制御する効果があります。
F1と乗用車では、見た目も大きさも、使用目的も異なりますが、車を安定させるために重要なパーツになります。小さいパーツになりますので、その効果を実感できないかもしれませんが、重要な『空力アイテム』でもあります。
携帯電話も内蔵アンテナになった時代、今後の進化ではカーアンテナも内蔵される日が近いかも?
余談ですが、F1でのシャークフィンにはフロントウインドウやサスペンションで跳ね上げられ乱れた気流をリアのウイングにあたる前に整えます。特に、コーナリング中にサイドから流れてくる気流を安定させてくれることで、マシンを制御しやすくなると言われているそうです。